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2005年10月27日 (木)

野球って深い。

日本シリーズがあっという間に終わりました。結果は知っての通り。

それにしてもよく打ちましたネエ。4試合で33点。こんだけ打つと打たれたピッチャー以上にずっとマスク被ってる矢野に与えたダメージが大きかったと思います。後がない第4戦の9回裏、無死一塁でバントに失敗して併殺にしてしまったシーンは、今シリーズ矢野はつくづく見放された男だなと思いました。矢野の自信を打ち砕いたのが4連勝の原因の一つだと思います。

シーズン殆どを一人でやってる矢野のようなキャッチャー(他のチームも大体そうだが)が一度悪い流れに飲まれると、ピッチャーみたいに簡単には代えられない分チームにとっては痛いでしょうね。

そうかと思えば千葉ロッテは里崎、橋本の2頭体制。ピッチャーとの組み合わせだと一人のピッチャーが2パターンを持つことになるわけですから、それだけでも投手陣の幅は2倍になるというわけです。こうしてみると、日替わり打順にしろ、選手を掌握する術にしろ、これがベースボールと野球の違いとまでは思いませんが、野球も奥深いなあと思いました。

プレーオフに入れ込み、かつ、きつかった分だけ、日本シリーズはのんびりと見てしまいました。正直、気持ち半分は日本シリーズはどうでも良かった(パリーグチャンピオンになったので満足した。)ので、日本一の喜びがあまり実感できないのですが、その分野球そのものを楽しみ、勉強できたなと思いました。

但し、プレーオフも日本シリーズもテレビ観戦ばかりだったので、生観戦がしたいってわけで、コナミカップのチケットをGET。今年最後の試合に向けて、今一度自分を盛り上げていこうと思います。

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2005年10月23日 (日)

第1章 1997年 4.決意(1)

 来週はもう8月だ。暑い。でも昼の1時にリーグ戦がある。JFL以下のリーグでは珍しくないが、選手も観客もきついことは事実だ。

 ここまでミクニは6勝4敗で5位。今日は前半最後の試合でこの後、リーグ戦は9月まで中断する。今回は重要な試合だ。いや、試合は結局どれも重要なのだ。

 今日は昨年の王者、フジマ自動車との試合だ。全員社員選手なのに選手個々のレベルも組織力も高い。プロ選手主体のチームを押しのけて昨季優勝を飾った強敵だ。はっきりいってワンランク上のチームといっていい。

 

 ユウタロウに電話を入れると珍しく起きていた。

「めずらしいな。よく起きられたな。」

「いや、あまりの寝苦しさに目が覚めちゃったんです。ひどい夜でしたよ。」と嘆いていた。

確かに昨晩は酷い熱帯夜だった。今朝も7時の段階で既に28度、湿度も高そうだ。これは試合も別の意味できつくなりそうだなと感じた。

「ユウタロウ。水分がかなり要りそうだから、お前の店で多めに飲み物仕入れてクーラーボックスに入れてきてくれないか。現場の準備はしておくから。」

 ユウタロウはスーパーに勤めている。当然氷類も沢山手に入るので、クーラーに冷たい飲み物を準備するのにうってつけなのだ。

「わかりました。じゃ店に寄ってから行きます。スポーツ系でいいですか。」

「人の好みもあるから、ミネラルウォーターも頼む。後は任せる。」

俺はユウタロウとの電話を切った。既にかなり汗をかいている。暑さ対策をしっかりしないと熱中症や熱射病になるぞと思った。

 南総総合球技場は想像していた以上に酷い状況だった。アップをする選手の姿が揺らいで見える。間違いなく35度以上はありそうだった。両チームの選手とも憂鬱そうな顔をしながらアップをしている。

「よお、酷い暑さだな。こりゃ。」

振り向くとヨシヤがいた。ヤツも既に汗をかいている。

「約束どおり来たぞ。それにしてもこんな環境でサッカーやるなんて自殺行為だよ。」

ヨシヤは冗談交じりにいった。

「俺もこんな暑さ、経験がないよ。暑さ対策の準備してるから使えよ。」と俺は濡れたタオルを渡した。

「これを頭に被るんだ。乾いたらそのバケツでまた濡らして被る。結構効果あるんだよ。」

バケツと水はスタジアムのトイレから拝借している。

「これでもきつかったら水を被る。だから今日は“海パン”なんだ。」と説明した。

今朝ケイタやいつも来る女の子達に連絡を付けて、熱射病除けのため水を被ってもいいように下に水着を着てくるようにお願いしていた。仙人様の連絡先は知らなかったのでできなかった。

「わかった。じゃあ、今日は微力ながら手伝うよ。タオル借りたし。」とヨシヤ。

「別にムリしなくていいぞ。大して愛着にないチームのために汗かくことないって。」

と俺は皮肉気味に断って見せた。

「いや、君らがこの状況でやるってのに俺が楽して見るのはチョッとシャクに障る。ヤラセろ。」

「わかったよ。じゃ旗もお願いしていいか。」と3メートル尺の旗を指差した。やる気を計ってみようというチョッとした意地悪も含んでいた。

「いいよ。任せとけ。」

ヨシヤは早速棒を手に取り、試しにと4~5回振ってみせた。やはり振り方に慣れが感じられる。でも見栄えよく旗が振れている。そのまま任せることにした。

 

 ユウタロウとケイタが大きなクーラーボックスを汗だくになりながら運んできた。中を開けると1.5リットルのペットボトル6本と目一杯の氷水が敷きつけられていた。

俺は女の子達に向かって

暑かったら好きに飲んでいいよ。きつかったら日陰に行ってもいいから。」と告げてクーラーボックスの管理を任せた。

 

 こっちはできる限りの準備をした。後は試合が成り立つのかというのだけが心配だった。

今日はセキネが累積警告で出場停止なので前節もゴールを決めているマルセーロが先発に起用された。

 

 キックオフ。

 いつものようにサンダーランドで応援を始めた。試合は暑さ対策のためかゆったりとしたペースで始まった。が、それは暑さ対策としては今日に限っていえば意味をなさなかった。キックオフの笛も今日に限って言えばサッカーの試合開始の笛ではなかった。

 

 15分経った。

 誰かがロングボールを蹴る。ボールは転々と転がっていったが、誰もそのボールを追わない。敵も味方も審判も。俺達でさえ“追え!”とか叫ぶ気力は既になくなっていた。そのままボールはラインを割った。しかしスロワーの選手も歩きながらボールに近づいていく。すさまじい暑さでみんなモウロウとし始めていた。既に走る奴なんていなくなっていた。

 

 俺は地面から湧き上がる熱気がまるでグウォーっという音を立てているように感じられていた。実際そんな音はないのだがそれぐらい凄まじい熱気だった。

 既にサッカーの試合ではなく、我慢大会の様相となっていた。

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甲府戦を観て

昨日は甲府まで行ってきました。そうです、甲府-徳島戦を観にいってきました。小瀬に行くのは4~5年振りでしょうか。

やっぱり生で試合観ると、テレビでは気づかないことにいっぱい気づきます。それだけでも行った甲斐ありました。試合は最低でしたが。

試合内容の細かいところを指摘するのは今回は無意味だと思うのでは言いません。

まず言いたいこと。

試合にしろ、試合以外にしろ、今のチームは誰がまとめてるんでしょうか。谷池ですか?秋葉ですか?それとも他のだれかですか?それが全く見えてきませんでした。

試合中も個人が力づくで何とかしようとしている風にしか見えなかったし、試合後のあいさつのときも(サポのすぐ近くまで来てくれたのは大したものだと思いましたが)、整列してなくてバラバラ。谷池が一番近くまで来てくれましたが、端っこで一人だけで立っていて、他の選手達に声を掛けるわけでもなくて、まるで孤立してるように見えたのは読みすぎでしょうか。

かといって他の選手もお互い黙ったままで。

まず、選手同士腹割って話し合いなさい。そしてもう一度チームになりなさい。谷池君、君はキャプテンなんだから、もっと存在感出さなきゃ。プレーの出来以前にキャプテンとして消えてます。

 

けが人が多いことと、最近数試合みんな動けてないことについて。

今は大塚グラウンド借りて練習してますが、グラウンド硬いんじゃないですか?そのせいで疲労が溜まってケガの原因になっているのでは?1年の内で練習中のケガで長期離脱者を何人も出すのはおかしいでしょ。試合中のケガも練習の疲れが遠因になっている気もするのですが。

それと選手は自己管理どこまでしてますか。朝食食べたのかとか、何を食べたのかとか、何時に寝ているのかとか調べたら、とんでもない結果出そうで怖いですね。いや、実際調べるべきです。そういうとこ良くしていくだけで、ケガ人も減らせると思うし、選手もプロとして成長できると思います。

 

あんな酷い試合でもコールしてくれるサポがいるんだから頑張りなさい。みんな言いたいこと本当は胸にしまってるんだから。

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2005年10月22日 (土)

総統をお迎えして

今週の水曜は我が家に結婚以来初めて、私の客をお迎えした。

ホンダロックサポーター集団「宮崎ショックボーイズ」の総統である。

総統とはVORTIS関東隊の同士として10年ほど前(いつが最初の出会いかお互いに覚えていない。)からの付き合いであり、私にとってはサポとしての目標であった人でもある。

お迎えしたといいながら、実は私が仕事から帰る前に我が家にあがっておられたのには、笑うと同時に”さすがは総統”と思ったのでした。

注)総統の釈明

その後、総統とはサッカー、野球、子育て、車など私の奥さんを交えていろいろ歓談。私は先週末から扁桃腺が腫れて、まだ薬を飲んでいたのだが、奥さんが驚き、自分でも扁桃腺のことを忘れるほど喋り、楽しませていただきました。

その総統が応援するホンダロックは11月3日の天皇杯4回戦で、総統にとってゆかり深い鹿島アントラーズとカシマスタジアムで対戦することに。まさに総統一人のための対戦カードといっていいオイシイ試合であります。私も参戦いたします。

日本平よりオイシイかも。

 

さて、昨日DVDを予約。スターウォーズ?いえいえ。

「ビートたけしのお笑いウルトラクイズ」ですよ。

これは必見ですよ。金と時間と手間ひまかけたばかばかしさの極ですからね。

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2005年10月17日 (月)

楽しむ

今日、会社から帰る途中どうしても口ずさんじゃうんですよ。
”イザユーケー、ムテキーノー、ワカタカグンーダンー”って。
今日の試合考えれば考えるほど、頭の中に流れてくるんですよ。
怖かったんでしょうね、負けちゃうのが。
だって帰る途中で0-2ってわかってたから。
 
いやいや、わかんねえぞ。だって最後までわかんないって凄い衝撃的な試合経験したばっかりじゃん。
”イザユーケー、ムテキーノー、~”
マサヒデかわいそうだなあ。ずっと言われるかもなあ。
こんなことの繰り返し。
 
でも色々考えてたらこんな言葉も浮かんできたんですね。
”タノシミマショー(楽しみましょう)”ってボビーの言葉が。
そして考えたわけです。ボビーの野球って”楽しむ”がキーワードだったって。
 
楽しむ。
 
勝ち負けと違う次元にある楽しさ。楽しいってこと、それも見て楽しいじゃなく
て参加して楽しいってことがあって、勝ち負けは最後のスパイスなんですね。
これがマリーンズの野球なんだと。

家に着いて奥さんに「今日は良くない。」って言われても”楽しもう”を心がけました。

でも試合中はやっぱりドキドキ。里崎に逆転打が出て「ウオーッ」。

そして薮田がでてきます。私は薮田に楽しもう、楽しもうって声掛けてました。
マサヒデ出てきました。大村一塁出ました。でも私はマサヒデに楽しもう、楽しもうって声掛けてました。
奥さんは「楽しめないよっ。」って興奮してましたが、私はニコニコしながら見てました。
そして勝利。31年ぶりの優勝。

娘を奥さんと二人で胴上げしちゃいました。
 
おめでとう、ボビー。
おめでとう、選手たち。
おめでとう、26番の俺達マリサポ。
日本シリーズも楽しもうぜ。
 
  
サッカー好きなんじゃネエのって?
いいじゃん、楽しいんだから。サッカーだから野球だからって小せえよ。
俺は楽しいスポーツが好きなの。

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2005年10月12日 (水)

第1章 1997年 3.ヨシヤ(2)

皆の気分が重くノリが悪いまま試合は進んでいた。

後半5分程、中盤のマークが一瞬ずれて、相手の10番がフリーでボールを持った。ストッパーのクゲがあわててチェックにいった時にスペースができた。10番はすかさずそのスペースに走ったFWの足元にパスを通す。敵はGKカワシマの動きを冷静に見ながらシュートを放った。

0-1。

「雰囲気悪くされたからこんなことに..。」とユウタロウはつぶやく。

「仕方ない、切り替えよう。集中切らすな。」と太鼓を促す。

だが一度悪くなった流れは止めようがなかった。17分、22分と失点して0-3となった。

何人かのお客は帰り始めた。俺達のテンションも上がらず応援はしぼみかけていた。

30分、ファビーニョはセキネに代えてマルセーロを入れた。

マルセーロは最初のプレーでクサビとなりボールをはたくと、素早くゴール方向へ走る。その動きに合わせるようにロビングのパスがマルセーロの走る先に通る。そのままドリブルでペナルティエリア付近まで進むと素早い切り返しで相手DFのかわした。

“早い!”と俺が感じた一瞬、既にマルセーロは右足を振り抜いていた。

シュートは見事な弾道とスピードでファーサイドのネットに突き刺さった。

1-3。

“ウオーッ”というこのスタジアムでは久しく聞いたことがないような歓声があがる。

マルセーロはチームメート達にモミクチャにされている。来日初ゴールは衝撃的な一発となった。

俺達はお互いに顔を見合う。皆驚きを隠せなかった。

「よし、イケる、イケる。」と俺。ユウタロウが間髪入れずに太鼓を再開する。

“サンダーランド”が威勢よく始まり、俺達は勢いを取り戻した。

試合はその後もミクニペースで進む。MJSのディフェンス陣はマルセーロに翻弄されまくっていた。それにしても今日のマルセーロはキレキレだ。今までは何だったんだ。

そして他の選手達も引っ張られるようにしてプレーのキレが増している。

後半40分。左サイドでスピードに競り勝ったカタヤナギが速いクロスをファーサイドにあげた。ラインを割ると思われた瞬間、マルセーロがヘッドスライディングのような姿勢で飛び込んでヘディングシュートを放った。2-3。

再びあがる歓声。ガッツポーズのマルセーロ。相手サポーターは静まり返っている。

「スゲえ..。」とケイタがつぶやく。ユウタロウはまだ試合が終わっていないのに泣きそうになっている。女の子達も“仙人様”も興奮を隠せず、なんと手を取り合って喜んでいた。

試合は結局そのまま2-3で終了。だが、まるで試合に勝ったような熱い拍手がメインスタンドから選手達に贈られた。特にマルセーロに贈られる拍手やコールは凄かった。

試合後、後片付けを済ませた俺達のところへあの男がやってきた。

「さっきは済まなかった。悪気は無かったんだけど、雰囲気悪くして申し訳ない。」

「いやいいよ。言いたいことはわかるから。」と俺。結果は負けだが内容に満足していたので機嫌が良くなっていた。

「今日の試合見てたら、少し考え変わったよ。何か盛り上げる案を考えてもいいかなって思ったよ。」

「俺も今日の試合で何か変えられるかもって思いました。」とユウタロウ。

男はニコリと笑い

「そりゃ良かった。やっぱ何か考えて努力した方がいいよ。」と急に少し横柄になった。

「やっぱり説教かよ。」と俺がムッとした顔で言うと、あわててごまかした。

「あ、いや、そうじゃなくて。でも今日のメインスタンド盛り上がってたぞ。見たろ。」

「うん、久しぶりに見た。あんなに盛り上がるの。」と俺はもう誰もいないメインスタンドの方を見た。

「また来るよ。」といって男は帰ろうとした。

「アンタ、名前は?」と俺。

「藤井ヨシヤ。オタクは?」

「菅野タクマ。今度いつ来る?」とヨシヤに訊いた。

「う~ん。来月末。フジマ戦かな?」フジマとはフジマ自動車、昨年の王者だ。

「わかった。待ってるよ。」

「じゃまた。」とヨシヤは帰っていった。なぜか後ろ姿に引かれる気がした。

試合後の駐車場ではマルセーロが女の子達に囲まれていた。

「マルセーロ!」と俺が声を掛けると、マルセーロは手を上げてニコッと笑った。がすぐに女の子の方へ向き直り、ずうずうしく肩に手を回した。
「すっかり馴染んじゃって..。」と帰り支度を済ませて出てきたメグミが呆れていた。

「いいじゃん、今日くらい。南米選手らしいって。」と俺。

「そうかもね。そういえば、今日のスタンド凄かった。あんなの初めて。」と思い出したように興奮気味にメグミが試合を振り返った。

「うん、今日の試合は忘れられないと思う。」

「少しはお客さんも増えるかな。」

「うん?それはわかんないけど。」

そう答えた俺だったが、観客が増えて地元が盛り上がったらという想像をしていた。ここ数年そんなこと想像したこともなかったなと気づいた。そういうことを考え始めたことは俺にとって大きな変化だった。

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2005年10月10日 (月)

徳島-仙台戦

4日の記事で書きましたが、札幌戦同様、仙台戦もやばいぞとのことでしたが予想したとおりになってしまいました。

しかし、これはしょうがないかもね。来年以降になって昇格に対する欲と使命感が生まれてこないとこの差は埋まらないでしょう。だって大学相手にPKまでいく仙台(天皇杯のこと)が徳島戦ではあれだけ力だすんですから。それは昇格への使命感ってやつでしょう。

今週末の京都なんかは余裕あるから、仙台よりやりやすいかも。

今週末は雨であまり出かけられず、なんとか手に入れたパリーグプレーオフ1stステージのチケットもロッテ2連勝でめでたく試合そのものがなくなり3000円に戻ったのでした。

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2005年10月 5日 (水)

イタリアダービー

すまん。未だ試合のビデオ観ていないのだ。

だから、イタリアダービーへの思い入れを混ぜながら語ります。

初めてセリエAの試合で観たのがイタリアダービーだったのです。その時のインテルにはベルカンプやルベン・ソサがいて、ユベントスにはバッジョがいました。試合はソサのフリーキックでインテルが先制。バッジョのフリーキックで追いつかれ、後半ロスタイムにベルカンプの突破からPKを得て、結局ドローでした。

この試合が私のインテリスタとしての原点であり、イタリアダービーは私にとってミランダービーよりも重要な試合と位置づけられる原点でもあります。

最近までユベントスにはなかなか勝てませんでした。なぜなんだろうと考え、調べるうちにユベントスというクラブの優秀さにも気づきました。今日は細かく書きませんが、私は今ではユベントスこそが世界で最も優秀で強いクラブであると確信しています。レアルやバルサやユナイテッドより間違いなく上であると思います。インテルよりも。

だからこそ、私はインテリスタとしてユベントスに勝ちたいと願い続けてきました。初めてイタリアへサッカーを観にいったときもイタリアダービーの観戦でした。このときインテルにはバッジョ、ジョルカエフ、ピルロ、そして我が最愛の英雄サモラーノ。ユベントスにはジダン、アンリなどが出ていました。夢に見たイタリアダービーの生観戦でイタリア人以上に興奮していました。(バッジョの芸術的スルーからのベントラのシュートが外れたとき、床に仰向けにのけぞって倒れたりしました。)

今年もイタリアダービーが行われます。最近は負けなしで2年くらい来ていましたが今回は負け。でも上等じゃないですか。強いユベントス。次回は勝つ。断固勝つ!

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2005年10月 4日 (火)

第1章 1997年 3.ヨシヤ(1)

 開幕から2ヶ月。開幕戦をどうにか勝利した我がミクニサッカー部だったが、以降はなかなか波に乗れない状態が続いていた。3節DDL通信に0-1で敗れると、5節北越FCにも1-2で敗れた。特にこの北越FCは戦力的にもチーム環境的にもミクニの方がはるかに上のはずで、ここに負けたことは結果以上に精神的に響くことになった。6節米子ビルド戦は勝利したものの延長勝ち。7節みちのくホイールズには0-2で完敗だった。ここまで4勝3敗。順位は12チーム中6位に付けていた。

 今節対戦のMJSミラクルズはJリーグ昇格を目指している山口のチームだ。選手も全員プロ、強敵だ。だがホームでもあるし、勝利できればメディアの扱いも変わってくるからどうしても勝ちたい大事な1戦だ。相手はJを目指しているので、サポーターもこんな遠いところにもかかわらず百人くらい来ていた。

 

 その男はいつのまにかいた。

 団幕や旗の準備も終わり一息ついている時、俺達は気づいた。ゴール裏に知らない人物がやってくることは珍しいのですぐわかる。その男はゴール裏の芝生席上段の方に座って試合開始を待っていた。キャップ帽、無精髭、少しルーズなパンツ。年は30歳くらいか。年齢のわりに若い格好をしているので、俺はどこかJチームのサポだなと確信した。こういう男が鴨川までJFLを見に来る場合、余程サッカーが好きか、自分を下部リーグの田舎サポに売り込みしてルート造りしたいかのどっちかだろうと思った。

「声かけてみます?」とユウタロウが指にテーピングしながら聞いてきた。

「いや、いいよ。冷やかしかもしれないし。向こうから声掛けてきそうな気もするし。」と答えた。実際そんな気がしていた。

「もうすぐキックオフだ。そっちに集中しよう。お前も気にすんな。」

「わかりました。大丈夫です。」とユウタロウは答え、太鼓のストラップを肩に通した。

 この日のゴール裏は俺達3人の他、女の子サポ3人組。いつも一人で試合に来ている男性の7人。

 この男性はいつも来てくれる。何度か話しかけてみたが、極度の人見知りなのか頷くだけで会話にならかった。応援の時も手は叩くが声を出すことはない。だが試合が終わると後片付けを率先して手伝ってくれるありがたい人だ。終わるといつのまにか帰ってしまい、痩せていて気弱そうだが印象は悪くないので、皆で“鴨川仙人様”と密かに呼んでいる。

JFLにはこういうお客さんがどこチームにも一人はいるらしい。

 

 試合はプロ選手ばかりのMJSに試合を支配される。攻撃時の展開スピードがウチと違う。運動量も多くプレスも早くて厳しい。どうしても守勢になってしまう。

「予想してましたけど、これじゃ攻め口ないですね。」とケイタ。

「90分ずっと続くことはないから今は辛抱しよう。前半は0-0でもいい。」と俺は答える。

「ユウタロウ、カウンターの時はお前の判断で太鼓のテンポ上げていいから。でも止められたらすぐ元へ戻せ。」太鼓を叩きながら頷くユウタロウ。既に額にかなり汗をかいている。

試合は前半終盤になってミクニが盛り返したが、そのまま0-0で終了した。

 

ハーフタイムにその男はやってきた。予感的中だ。

「君たちさ、いつもこんな感じでやってんの。」とその男は訊いてきた。

「まあそうだけど。何か?」と俺はわざとぶっきらぼうに答えた。

「いや、何ていうか。もっと盛り上げられないのかなって。」

「どういう意味?」

「ホームなんだからメインのお客巻き込むとか、誰かスカウトしてゴール裏の人増やすとかしないの?」

「昔はしたよ。でもジャマだとか言われたんでやめた。アンタ、メイン行ってみた?親父ばっかりだよ。学生くらいの若いやつなんかいないし、今はやる意味ないよ。」

「でも一生懸命応援してるのに寂しくない?もっと周り巻き込んでいければ盛り上げられるのに。」

「だから、そういうことしたくないんだよ、メインの人達は。少なくとも今メインにいる人達はね。」俺は続ける。

「あんたの言ってることはわかるよ。俺達だってもっと盛り上げたい。でも現状はこうだ。我慢するしかない。」

「でも仲間増やさないと見た目がショボイままで、なお盛り上がらな..」

「アンタさあ、どっかのJの人間だろ。どこの人だか知らないけど、ここにはここの土地柄や事情があるんだよ。簡単じゃねえんだよ。あんた、こんなとこまでわざわざ俺達に説教かますために来たのか?」俺は男の話しを遮って怒鳴り返した。

「いや、そんなつもりは...。」と男。

「今、試合中なんだよ。アンタが何だかんだいうから、みんなの士気が下がっちゃってるだろ。盛り上げに水差してると思わねえか。」

男は黙っている。

「言いたいことあるなら試合後にしてくれ。」と俺は突き放した。

「わかった。ゴメン。」と言って男はまた元の位置へ戻ってしゃがんだ。

 

「偉そうなヤツ。」とユウタロウ。ケイタや女の子達もムッとしている。

「気持ち切り替えよう。俺も怒鳴って悪かった。試合始まるから切り替えよう。」

重い気分のままであったが、どうにか試合に気持ちを向け直さなきゃいけない。俺は自分に言い聞かせながら皆に言った。

後半はもうすぐ始まろうとしていた。

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