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2006年5月27日 (土)

期待できることの喜び

価値ある勝利である。今季初の連勝(失礼、前回連勝してました。)で最下位を脱出できたことは、やっと上向きになり始めたことを示している。内容こそ良くなかったが、勝ちきれたことが重要であり、選手達には自信となったと思う。

地元徳島をはじめ、関東他のサポーターはこれまでの悲惨な敗戦にも耐えて応援し続けてきた中でやっとやりがいのある状況になった。次の仙台戦は苦戦は逃れないが期待できると思う。

勿論課題が山積みなのは変わらない。しかし、今まででそういうのはかなり語ったので今回は何も言わないでおく。素直に連勝を祝おう。そして期待感が高まってきたことで、あらためて次の試合から試合内容も少しづつ問いていきたい。

しかし、チームに期待していいとゆうのは嬉しいことだ。当たり前でなくてはいけないことがここ2ヶ月くらいはそれが揺らいでいたからね。

さあ、これからである。

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2006年5月26日 (金)

明日こそ勝負

「ほらね、勝ったでしょ。」なんて冗談言えない。正直、片岡の再離脱でガックリしていたのでかなりホッとしている。
確かにまだ最下位ではあるが、この勝利は勝点3以上の収穫があったと思いたい。それはヴェルディのような降格組に勝ったからではない。
あれだけこだわった4―5―1から4―4―2(しかもワンボランチ)にいきなり変えて、攻撃の形まで素早く前線につなぐ(悪く言えば放り込み)ように変える等、大手術をした上で2―0で勝てたからである。
普通はこんなに上手くはいかない。ミラクルと言ってもいい。

しかし勿論勝てた理由全てがミラクルなわけなく、試合が進むにつれ、選手達が手応えを深め、自信を持って戦ってくれたこともわすれてはならない。ヴェルディのように個が優れていても、それだけが勝ち負けを左右するのではないと言うことだ。

片岡はいないが、とにかく勝利して悪い流れを切ることはできた。しかし、大事なのは明日の草津戦である。J’sGoalや他の徳島系の多くのサイトで言われているが、ここで負けたらまたどん底に逆戻りである。草津の次は仙台戦のアウェーである。連勝の勢い無くしては試合にならないだろうし、あの植木さんが単純な放り込みサッカーにむざむざやられるはずもない。
徳島の選手達は明日こそ自分達の未来を左右する試合だと思って臨んでほしい。頑張れ!君らはやれる。

それにしてもヴェルディは酷すぎた。ヨソの心配をしてる場合ではないのに心配になったくらい酷すぎた。
ラモスが明確なビジョンを選手達に示せないのか?とはいえ選手達にも、もっと危機感があってもいいように感じるが。

大野なんかは去年と同じような状況なのだからもっと危機感をピッチで表現すべきだと思うが。

まあ、ヨソのことだからね。

(やっぱ、俺はなんだかんだ言っても、日本人選手では大野が一番好きだなあ。)

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2006年5月23日 (火)

ダンケ!フリーデン

先日の平塚でのベルマーレ戦、無残な敗戦を喫した影で、実は私だけオイシイ思いをしていました。

当日、プレゼント抽選があったのですが、そこで私めはベルマーレのおひさるすぽんさあの株式会社フリーデンのハム・ソーセージセットが当選!!そして今日、そのハム・ソーセージセットが届きました。

Photo_4 いやあ、いろいろ入ってらあ。ソーセージ4種類、太いソーセージもある。ハンバーグも2種類。ベーコンに薄切りハムまで...。

奥さんは1週間はこれでオッケーと大喜び。電車賃とチケット代足してもお釣りのくる豪華さに思わず”ダンケシェーン、フリーデーン”なのでした。

嬉しかったので、フリーデンにリンクをば。

ロッテ-阪神戦をテレビで観ながら、おかずとして一ついただきました。うまあ。

そういや、昔阪神にブリーデンって選手いたなあ。あ、桧山に打たれたあ。

 

ikeさん、ゴメンネ。まじめなトラバ送ってくれたのに、直後にコレで。

 

片岡が再び負傷。オイオイオイオイオイオイ、........はあぁあ。

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2006年5月22日 (月)

”生きる”

あやかちゃんのことについては前回に書いたので、そこで終わりにするつもりだったのだが、先日印象的なことがあったのでもう一回だけ〆として一言書こうと思う。
 
何があったのかというと、あやかちゃんが亡くなる数日前に生まれた妹の子供に会ってきたのだ。3500グラムある大きなあかちゃんであった。ベビーベッドで弱々しくも手足を動かす姿は、わが子の生まれたときを思い出させた。と同時にあやかちゃんを思わずにもいられない。思わず小声で「あやかちゃんの分も頑張れよ。」と声を掛けてしまう。
3500グラムあるとはいえ赤ちゃんは赤ちゃんである。やはり小さい。でもちゃんと生きているという当たり前だがとても神秘的な事実に感動を禁じえない。”生きる”ということは素晴らしいことだなと再度実感する。
 
”生きる”
  
”生きる”ということはよくいろんなテーマで語られることである。人間だけでなく野生の動物の生と死の物語や、時々小さな微生物のレベルにまで突き詰めた物語を映像とあわせて語るテレビのドキュメンタリーを観ることがある。そのような番組で”生きる”について付けられるテーマは厳しさや神々しさなど様々である。

 
あやかちゃんが亡くなってから、最近の私は”生きる”ということについていろいろ考え続けた。
 
”生きる”
 
”生きる”とは全ての喜びの根源でもあり、全ての欲の根源でもある。生きているからこそ喜びがあり、生きていくために様々な欲が生まれる。その欲によって別の人の”生きる”が途絶えることもある。
ひとことでは”生きる”ということが善なのか悪なのかはわからない。そういうものではないとも言えるが現実に誰かが”生きる”ために誰かが死んでいるということは、野生の動物の世界ではルールといってもいい。”生きる”とはとても重いことだと思う。

簡単なことではない。”生きる”とは。
 
よく”死ぬ”ことを運命とつなげて語ることがあるが、今回のことで、私は”生きる”ことこそが運命なのではと思った。
”生きる”からこそ背負うものがある。”生きて”いるからこそできることがある。”生きて”いるからこそやるべきことができる。
”生きて”いるからこそ、あやかちゃんのことが悲しい。でも、だからこそ悲しみから立ち上がり、そして彼女のためにできることをやれる。こうしてブログで語ることもできる。彼女のためにも”生きる”ことを続けなくてはならない。
 
私をこの道に導いた人とのことにも言えるが、残された我々は”生きる”運命を受け入れて、次の時代に活かしていけることを伝えなくてはならない。”生きる”からこそ。
 
あやかちゃんにとっての”生きる”については色々意見があるだろう。そうでなくても重いテーマなので私ごときがそんなことを語れるはずもないので、自分も含めた範囲で考えてみた話を書いてみた。
話が支離滅裂になってしまって申し訳ない。まだ整理しきれていないのだ。だがとにかく今伝えたいことだったので書いた。
 
”生きる”とは何か。みなさんはどう思うでしょうか。

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さあ、勝負だ。

”何もいうことはない”とはどこぞの監督の言葉だが、何も言わないわけにもいくまい。だが何を言えばいいのかわからないのも事実である。
 
神戸戦。私は仕事の出張先で経過を携帯の速報サイトから追っていた。殆どが待ち時間だったので2~3分おきに「最新の更新」を繰り返していた。
0-3となったが片岡が出場したのを知る。開幕以来である。思えば片岡の欠場が今の低迷の要因の一つとなっているのは間違いないと思う。そういう意味で彼の戦線復帰は何より嬉しいことである。

翌日、テレビで録画を観る。やはりテレビで観ているとボール中心の映像となるのでボールを持っていない選手の動きが見えない。従って見える(映る)範囲で気づいたところをいうと
・神戸の選手は前線の選手もチェックが早く、徳島の選手は追い立てられるようにパスを回しては最後にはミスっている。
・ボールを持った選手に釣られてばかりいて、その裏を突いて入ってくる選手は野放しである。
まあ、ここずっとそうだといえばそうかもしれんが、さすがにこんなふうに書くのもいいかげんにしたい。
 
何度も考えたかもしれんが、まずどうすればいいのか。片岡が帰ってきて、玉乃もスタメンに復帰した。これは大きい。開幕時点での今年のキーマンはこの二人だったはずである。玉乃の右サイドは未知数な気もする(真ん中の方がいいような)が、片岡の左サイドはこのチームの数少ない飛び道具であり、4-5-1のフォーメーションも含め、ここからの数試合は注目したい。次の相手はヴェルディであるが、開幕でも私は決して今年のヴェルディは強くないと見ていた。今度は勝利する予感がする。そうなってほしい。
神戸は前節草津に情けない負けを喫したことで徳島戦は負けられない状況になっていた。しかし、ヴェルディはある意味徳島と同じ泥沼状態である。ラモスの采配や経験、言動からして予想できた状態でもあるが。
 
逆に言うとこの後数試合、片岡がいても内容すら改善されない場合は今季残りは消化試合となってしまう。つまり残り30試合以上勝てない試合を観つづけなくてはいけなくなる可能性すらある。
そんなわけにいくか。頼むぞ、選手達よ。戦術や采配の問題だけではないのは君達がよくわかっているだろう。逆にそのせいだと考えている奴は試合に出なくていいぞ。原点に戻って皆を信頼し合って戦うのだ。
君らはやれる!

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2006年5月17日 (水)

あやかちゃんを救おう4

日本時間の17日早朝、マイアミにて療養中であった神達あやかちゃんが亡くなられました。

去年、記事に書きましたが、私は「あやかちゃんを救おう」の活動に協力してフクアリでの募金活動を行いました。私は救う会のメンバーではありませんが、現地にて募金を行なった者として募金してくださった方にお礼申し上げます。ありがとうございました。
とても残念なことになりましたが、あやかちゃんのために皆様が協力してくださったことは、その行為と気持ちが何より気高いものであり意味あることで、サッカーと異なり結末により意義が左右されることは全くないと思います。

難病に苦しむ小さな子供達は他にも大勢います。機会がありましたら、そういう子供達を助けてあげてください。私もこれからもそう心がけて生きていきたいと思いますし、それをあやかちゃんも喜んでくれると思います。
あやかちゃんのご冥福を謹んでお祈り申し上げます。

最後に、あやかちゃんを救う会の活動に参加するきっかけをくれたホンダロックサポーター宮崎ショックボーイズの総統に感謝したいと思います。そして募金に協力してくれたリョウタ殿始めジェフ市原サポーター、浦和サポーターにも感謝を。

そして、私に意義ある時間を過ごさせてくれたあやかちゃんに最大の感謝を。

あやかちゃん、どうもありがとう。頑張ったね。

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2006年5月14日 (日)

チャボにやられた?

何故、チャボのテーマ?
という疑問はさておき、ここまで戦えないとは..。

今日、私はとっておきの秘策を持って平塚へ向かった。JFL時代、3年前の佐川東京戦にて、前節まで少し調子を落としていたチームに刺激を与えようとある横断幕を作って掲げた。それには「やってきたことを信じろ!必ず結果はついてくる。」と書いた。
試合は快勝。だが、それにもまして嬉しかったのは翌年、試合当時大塚のスタッフだった人から、あの横断幕を見た選手の何人かの顔つきが変わったと言われたことだった。俺達にチームを勝たせることができると証明できた出来事だった。
Mayouna あれから3年。今しかないとまた私は一枚のメッセージ横断幕を作った。それには「迷うな!自分達を信じろ。原点に戻れ!」と書いた。あの時とかなり選手は変わったが俺達の力で勝たせたいと思った。チームの力になれると...。

結果は、いや結果も内容もだが今回は完敗だった。私の作る横断幕は良くも悪くも力を発揮してきたのだが、見事なまでに今回は無力だった。私自身も完敗である。
言葉が難しかったか?選手が理解できなかったのか?もっとわかりやすくしないとダメだったのか?横断幕は今の徳島には効果がなかった。
でも前節横浜戦より内容が悪くなるというのは何故なんだ?

わからない。何故チャボのテーマなんだ、じゃない。何故さらに酷くなったんだ。誰か教えて。

フゥ。
まあ、落ち着いて考えましょう。何から手をつけたらいいのかを。
秋葉の感性に頼ったスルーパスに反応できて、スペースも突ける選手はいないか?イナーイ!みんな足元に欲しがる選手ばかりだ!

じゃあ、マイボール時、攻め上がってラインを押し上げ、ボランチに前を向かせた状態でボールを渡せるバックスは?イナァーイ!押し上げないし、回してるだけだあ!

じゃあ、ボールもらってからの玉離れが早くて、視野の広い中盤の選手は?イナゥァァーイ!みんなルックアップしてから探してるか、適当なダイレ出してるか、バックにすぐ戻してるかばっかりだあ。

どうしてこんなんなっちやったんだあ!何故だあ!何故、チャボなんだあ!じゃない、何故こうまで酷くなったんだあ!WH~~~~~Y!

フゥ。落ち着いた。

Vortis1 まぁ、どん底状態なんだけど、とにかく言いたいことはやっぱりコレ!
「迷うな!自分達を信じろ!原点に戻れ!」お願いだからぁ。

あ、もしかして負けたのはチャボのせい?
現実逃避か?これって?

 

P.S 今日、マルは氏はなじみの藤沢のカレー屋を失っていました。私も南船橋ビビットスクエアのラーメン隊にあった一押しの味噌ラーメンを失っていました。惨敗と並びダブルショックです。

でも昔、惨敗と車をオシャカというダブルショックを経験したことある私にはまだ軽い方。

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2006年5月13日 (土)

インテル、イタリア杯を連覇

インテルがイタリアカップを2年連続で制した。
今年のインテルはここ数年で最もサッカーの内容がよく、期待されていたが、スクデッド、チャンピオンズリーグとも不本意な成績で終わり、サポーターに空港で襲撃されたりした。またサポーターは人種差別行為を試合中に行っただけでなく、入場禁止処分を食らったことへの抗議として応援拒否をするなど、自分達の品位の低さを棚に上げた身勝手な行動が目立つなど問題の多い行為が目立った。
チームに話を戻すと、エース・アドリアーノは期待と裏腹に大スランプに陥り、それでも使ってくれたマンチーニ監督の期待にも答えられない上に、ウワサではマンチーニと確執までできたらしく散々な一年になってしまった。

サッカーの内容はリーグ随一の美しい”繋ぐサッカー”ができていただけになおさら残念なシーズンではあった。

しかしながら、イタリアカップを獲得できたことは、今シーズンのインテルのサッカーが間違っていないことを証明する意味でとても大事であり、スクデッド獲得直前に昨シーズンの不正疑惑が浮上して窮地にたったユベントスや、結局何も得られない可能性もあるミランより最後は幸せかもしれんのだ。

とまあ、いろいろごたくを述べたがイタリアカップ連覇は素直に嬉しい。
ベルカンプが着ていたネロアズーリのシャツに一目ぼれして以来約14年。決して数多くのタイトルや勝利に酔えたわけではないが、やっぱりタイトルが取れるというのはいいモンである。これを足がかりに来期こそはスクデッドか欧州一の戴冠をしたいものである。

P.S インテルの公式サイト(イタリア語)にQuickTimeで見られるダイジェストムービーがあるのだがダウンロードして保存できないので携帯のムービーで接写して撮りました。

これは記念ものです。

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2006年5月 6日 (土)

三ツ沢にて思う

三ツ沢に行ってきた。なんだかんだ言っても、このチームが好きな自分を再認識する。かつては間違いなく俺が救ったこともあるのだから当然か。もう太鼓叩いて、リード取ってということはしていないが俺の中にはこのチームがいるんだなと思う。それはマルは氏も同じ。他の関東隊仲間もね。

Sn340047_1  試合前の練習の時点で今日は勝てそうにないなと感じてしまう。なぜかそういう匂いがしている。かなりマズイ。そして試合はやっぱり一方的になる。前半は0-0で終わるが、なぜ失点しないと思うくらいラッキーだった。ジョルジの頑張りから作ったチャンスもあったが大場が外す。唯一のチャンスだった。

後半風上になったが、流れは変わらない。中盤でイージーなミスが多い。いろんな点で相手に劣っている。結局PKで失点したが、これは仕方ない。むしろ攻撃が相変わらず形にならず、殆どチャンスが作れないことが問題。そんな中、尾上の突破が作ったチャンスは問題の解の一つのような気がする。

そして、また敗戦。

何が原因なのか?皆そう思っているだろう。

でも原因は一つじゃない。しかも根っこも一つじゃないから始末が悪い。

一つ一つ解決するしかないのか?でも先立つものがない。

東さんにするか?今の状態は東さんも責任感じてるだろう。引き受けてくれるかは彼次第。社長、GMなんて辞めても後釜もっといないよ。就任するときの経緯思い出すとね。

戦力補強?J加入からこれまでの補強経緯見てもいい人脈ないよなあ。

と、ここまで書くとホント絶望的である。じゃどうすりゃいいのか。今のままチームを鍛えるしかない。そう、もう答えはこれしかない。少なくとも走り負けなきゃ試合の流れは掴めるのだから。日程がタイトなので急に激しくはできないから即効は期待できない。だがまずこれから始めるしかないね。自分達もキャンプで鍛えたのかもしれないが試合見てわかるように負けてるんだから。要は相手の方が鍛えてるのよ。

連携や攻め時の崩し方も問題あるけど、後半尾上が突破してチャンス作った時も彼が踏ん張ったからでフィジカル上がれば、こういうチャンス増えるしね。

Sn340048_0001 今日の試合見て確信したのは、やっぱり即効薬はないということ。だから感情に走らずに何から良くしていくのかフロント、選手、コーチ、サポーターやファンで認識してやっていくしかないね。そのためにはフロントの決断が大事。

今こそ徳島にサッカーが文化として根付くかが試されていると思う。

最後に一言、ある人達に言いたい。ガッカリしたぞ。

5月7日追加:

応援している現場の人間は立場によって言わなきゃならないこと、しなきゃならないことがある。応援しつづけようと言わなきゃならん場合もある。髭、頑張れ。

拍手したくない人はしなくてよい。でもする人がいるのは価値観の違いや試合の見方の違いもあってしかたがない。K君、君の気持ちはわかる。俺も同じ気持ち。

だけど、ただブーイングしたり、バス囲みなんて何の効果もないのは経験上、とても、とっても(繰り返し強調)よく知ってます。今必要なのはそんなこと考えることではない。辛抱強く一緒に頑張りましょう。

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2006年5月 2日 (火)

第1章 1997年 6.本音(3)

シーズンは終えた後は天皇杯サッカーがすぐに始まった。1回戦、2回戦は下のリーグのチームが相手とあって順調に勝ち進み、来週、J1の横浜マリノスと対戦することとなった。場所は鹿児島の鴨池陸上競技場だ。

俺は、クルセイド正式発足以来、初のJチームとの公式戦ということもあって、一杯食わせたいと思った。何かネタを特別に用意したい。だが、「じゃ何がいいか?」と考えてもなかなか思いつかなかった。

 

週末、俺は気分転換に新宿まで趣味の輸入CDを買いに出かけた。特に西新宿界隈は輸入ハードロックCDのメッカなのだ。

新宿駅を降りて大久保方面へ向かう途中に、その手のCDを専門に扱う店がいくつもあるエリアに行き着く。俺は以前、CDを買ったことがある店で、お気に入りの70年代に活動していたバンドのCDを物色することにした。

店に入り、ところ狭しと並べられた棚からお目当てのバンドのCDをチェックしていたときだった。誰かが不意に俺の肩を叩いた。振り返ると、そこには人懐こい笑顔をしたマルセーロの顔があった。俺は驚きのあまりのけぞり、目の前にいるラテン系の顔を見直したが、そこに立っていたのはやはりマルセーロだった。心臓が飛び出しそうなほど動揺した。

マルセーロは赤いベレー帽を被り、黒の革ジャンに、薄い迷彩ガラのパンツとブーツを履いていた。とてもサッカー選手とは思えない格好で、顔立ちや髪形もあってパッと見はチェ・ゲバラにソックリだった。

「なんでここにいるの?」俺はドキドキしながら尋ねた。

「買い物。CD買いにキタノ。タクマもなんでいるの?」

「いや..、俺もCD買いにきたんだけど。なんでここ知ってんの?どうやって来たの?」

「ムトウに、この街行けばいろいろあるって聞いた。電車の行き方も教えてくれた。」ムトウとはミクニの選手で、ハードロックの趣味を持っている。俺も趣味が合うので時々その手の会話をしている。

「一人で来たの?よく来れたね。」

「ノリカエ1回だけだったから。」とマルセーロ。確かに安房鴨川から特急に乗れば、東京で乗り換えるだけだ。

俺は、さすが最大のサッカー選手輸出国の人だけあるな。すげえ順応性というか、バイタリティというか、これがあるから世界で成功するのかと思った。日本語も来日当初から驚くほど上達している。

「でもハードロック好きなんて初めて知ったよ。ラテンじゃないんだ。」

「ブラジルにもメタルバンドいるの知ってるでしょ。ボクはラテンよりロックが好き。」とマルセーロ。

「知ってるよ。でもここまで買いに来るのは、かなりマニアなファンだよ。千葉とかでも輸入CDは買えるでしょ。」

「一度行ったけど、欲しいもの無かった。だからここまで来た。」

「で、それは買えたの。」

「ウン、隣の店で買えたよ。コレ。」といってディパックの中からCDを取り出して見せた。それは俺も名前を知らないようなマニアックなバンドのCDだった。

その後、俺はその店で何枚かCDを買い、二人で近くのコーヒーショップで休息をとった。マルセーロとこんなに親しく話す機会は初めてだったので、いろいろ訊いてみることにした。日本人選手はともかくブラジル人選手の日本観などはとても興味があった。

「鴨川どう?」

「大好き。ブラジルより平和だし、街の人もいい人ばかり。ずっといたい。」

「鴨川にいて退屈しない?ここ(新宿)とは全然違うでしょ。」

「(首を横に振り)住むには鴨川みたいな街がいい。ここはウルサイ。」

「ハードロック聴く人がうるさいってのもよくわかんないけど、鴨川そんなに好きなんだ。確かにブラジルと比べると平和かもね。」

「ウン、家族も呼びたい。タクマ、鴨川キライ?」

「いや、生まれた街だし好きだよ。でもサッカー選手だったら、これからいろいろ移籍して、いろんな街に行って、有名になるんでしょ。」

「(首を横に振り)イヤ、ならなくていい。ボクはずっとサッカーはしない。」

「エッ、なんで?」

「父さんの会社ヤルと思う。父さん、ブラジルでミクニの食べ物売ってる。」

「そんなこと初めて知ったよ。そうなんだ?」

俺は最初こそ丁寧に単語を選んで話しかけていたが、マルセーロの流暢な日本語と、話の内容に飲まれて、無意識に日本人同士で話す感覚になっていった。

「父さん、ボクのマネージャーもしてる。前のチームやめるとき、ミクニのシャチョー(社長)にボクを教えた。」

「そうだったんだ、でもマルセーロはどうなの?サッカーで有名になりたくないの?代表とか入りたくないの?」

「ムリムリ。父さん、ブラジルでは少し金持ち。サッカーで有名にならなくてもダイジョブ。」

「へえ、でもちょっとがっかりだな。サッカー上手いのに向上心ナシでやってるなんて。応援してるのに。」

「コウジョウシン?」

「うん、向上心。なんだろ..、上手くなりたい、有名になりたいって気持ちでサッカーやることかな。」ちょっと違うかな、と思った俺はあらためて

「やっぱサッカー好きでしょ。サッカーずっとやりたいでしょ?」と訊いた。

「う~ん。」マルセーロは真剣な顔で考えこみ始めた。

俺は言いすぎたかなと思ったので

「まあ、いいよ。試合でがんばってくれれば、鴨川にずっといてくれればウレシイし。」

と話しを切って、質問を変えた。

「ところでさ、その服どこで買ったの?」

「ああコレ、原宿で買ったんだよ。」とあっさりと驚くべき返事をした。

「原宿...?原宿知ってんの?」唖然とした。

「ウン、たまに行くよ。」とアイスコーヒーを飲みながら、マルセーロは平然と答えた。

俺は、サッカーで日本がブラジルを越える日は永遠にこないと思った。

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