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2007年5月19日 (土)

バンディエラ

バンディエラという言葉がある。イタリア語で「旗」という意味だが、サッカー界ではいわゆるチームリーダーとか、チームシンボルである選手を指す。
そのチーム一筋で、しかも実績でもチームのトップである選手がそう呼ばれることが多いようだ。
一番わかりやすい例はローマのトッティだ。ユベントスのデルピエロもそうだ。インテルだとサネッティがそう。
彼の場合、アルゼンチンから来たのだが、もう10年以上インテルにいるのでそう呼ばれている。サネッティの前にはベルゴミがその存在だった。

ロベルト・バッジョはフィオレンティーナからユベントスに移籍したときにそうなる資格を失ってしまった。もっとも彼はイタリアのバンディエラと言えなくもないが。

ちなみにJリーグのサポーターがゴール裏で使う”帯”のことをバンデーラと呼んでいるが、語源はこのバンディエラだ。
ある意味、誤解されて使われているので本来のバンディエラという言葉はJリーグでは通らない。
 
話を戻すが、バンディエラはそういう存在だから当然サポーターから絶大な人気がある。
だからバンディエラが活躍すると試合は普段以上に盛り上がる。バンディエラがストライカーでゴールを決めればなおさらだ。
 
さて前置きが長くなったが、今日のお題はバンディエラの移籍である。
 
今週、衝撃的な移籍があった。
東京ヴェルディ1969から横浜FCへ1人の選手が移籍した。
FW平本一樹である。
ヴェルディがJ2に降格が決まり多くの選手がチームを出て行くなか、ヴェルディへの愛を貫いて残留した選手であった。
昨季J1昇格を逃しながらもそれでも残留を決めた平本。
だが横浜FCへの移籍を決めた。
横浜の高木監督の説得があったにせよ、他に理由があったにせよ、この移籍は大きな驚きだった。
ヴェルディのサポーターにとって平本は特別な選手であった。それは自分がヴェルディのファンでもなんでもなくても感じられるほどだった。
実績はともかく、平本はヴェルディのバンディエラといっていい存在だった。それがチームを出て行く。
出て行くということはもうヴェルディのバンディエラではなくなることを意味する。
 
敵チームの選手として見ても平本は怖い選手であった。実は4月25日のヴェルディ戦の時、ヴェルディのメンバーで一番気になっていたのが平本だった。
名前があるのを知ったとき嫌な予感がした。その理由と同じことが最新刊のエルゴラの記事に書いてあった。
以下、エルゴラの記事より抜粋する。
 
平本一樹が移籍したこと-(略)彼が試合に出たとき、ゴールを決めたときに異常に盛り上がる、ゴール裏のあのパワー、スタジアムにわき起こる力も失ったということなのだ。
(エルゴラッソ 5月18・19日号より)
 
平本が出ること、ゴールを決めることというのは他の選手が同じ事をすることと同じ意味ではない。
それだけで試合の流れを変えてしまう。平本はヴェルディにとってそういう選手だった。
それを失ったヴェルディ。チームよりもサポーターがパワーを失ってしまうであろう。
ヴェルディはその大きさをいづれ実感するかもしれない。
 
実は平本が好きだった。サポーターと、表面的で薄っぺらではなく、見えないところで強く繋がっている選手だったから。
だから彼の移籍は残念でならない。平本はサッカーを続けるが、彼自身もかつての自分を後押ししていたパワーを失ったかもしれない。
いや、あえて捨てたのか?
しかし、残念な移籍であった。
 
さて、徳島ヴォルティスだが、今のヴォルティスはチームの歴史が浅いこともありバンディエラといえる選手はいない。
J2昇格以降、今までもそんな選手はいない。秋葉を推す人がいるかもしれないが私はそう思わない。
秋葉はヴォルティスに2年もいないし、そもそも放出されるような選手はバンディエラといえない。
彼の場合は以前長く在籍したチームもある。そういう意味でも徳島のバンディエラの条件には合致しない。
他にも理由はあるが。
 
片岡は大塚FC時代からずっといる選手だが、彼もチームへの影響度の点で条件を満たせない。
 
それから残念ながら応援する側のサポーターにも昔からチームと戦ってきた人が少ない。
そういう意味でもバンディエラを生み出せない状況にもある。
しかし、それは時間が経てば解消される。
10年後くらいにみんながそんな選手を愛していられればいいと思う。
 
Otuka10 最後に大塚FC時代の話に戻るが、その時代にはバンディエラはいた。
これと同じシャツを着ていた、愛すべき男が....。

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