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2011年11月 9日 (水)

デフレパード@東京国際フォーラム

大型のホールでコンサートを観るなんていつ以来だろうと考えつつ私は東京国際フォーラムのエスカレーターに乗っていた。
この日は英国のロックバンド、デフレパードのコンサートを観にここへやってきた。
国際フォーラムでのコンサート鑑賞に限ればキューバのブエナビスタソシアルクラブの公演以来だ。もう何年前はすぐに出てこない。
大規模なアリーナであれば椎名林檎やAC/DCが公演をしたさいたまスーパーアリーナがあるが音響を重視した設計のホールとはやはり違う。
 
前回の記憶が殆どないのでまるで初めて来た感覚だ。アーティストが演奏するステージの周囲、特に上方は巨大な木材の櫓のようなものが30メートル以上はあるだろう天井まで組まれていて、その迫力というか威圧感は物凄い。屋内建築物でここまで巨大なものはめったにお目にかかれない。ステージがミニチュアに見えてきそうだった。
 
座席は一階席ステージ右側で距離は15メートル程でメンバーの表情は識別可能だし、前の席との傾斜も悪くなくアタマが視界を遮ることなさそうだった。
客層はやはり同年代か少し下、30代中盤以降が殆どだった。私と同じ仕事帰りらしい人も多い。
皆、バンドの最盛期にリアルで青春を過ごしたのだろう。
コンサートというより同窓会のような空気も感じる。
がそれは悪いことではない。
それはデフレパードがいかに素晴らしい楽曲を多く作ってきたかの証であり、国際フォーラムのような大規模ホールにこれだけの聴衆を集められるのはその素晴らしさが他より比類無きレベルであるからでもある。
バンド結成から30年以上経て、まだこれだけの人気を維持できているバンドはとても少ない。
この日の公演は追加公演として後から発表された公演でもあったので満員とはならなかったが、先に発売された公演は完売だったようだ。
 
AC/DCの曲が終わると同時に客電が落ち、コンサートはUndefeatedでスタートした。
2曲目はスウィートのカバーのAction。そしてイントロでひときわ大きな歓声が上がったANIMALへ。
この曲は私も大好きでイントロが流れた瞬間、アドレナリンが吹き出してくる。
この曲はデフレパードの楽曲の魅力がすごくわかりやすく詰まっている名曲だ。
メロディックでシンプルで覚えやすい、ミドルテンポでノリ易くて明るい、サビにコールパートがあって盛り上がれる彼等の黄金律といっていい魅力が満載だ。
 
メンバーは前回、たぶん96年だが、観た公演時より全体的にステージでの動きが少なくなっているように思える。
そりゃ15歳年を取ってりゃ当然といえば当然だ。
外見もヴォーカルのジョー・エリオットは少し肉厚になった気がする。
しかし、いつもどおり上半身裸でプレーしている最年長のギタリスト、フィル・コリンは、むしろ筋肉が増したようにも見える。
演奏は全く問題ないし安定している。
ジョーのヴォーカルも特に気になるものは何もない。
もっともデフレパードはデビュー時の1970年代末に活躍したNWOBHMの他のバンドに比べれば若い方だ。
 
さてコンサートは4曲目から2ndアルバム「High & Dry」から3曲続く意外な選曲できた。
ジョーは昨日7日の同会場での公演で、明日(8日)はこの日演奏しなかった曲を演奏すると告げていたそうだ。
日本のファンはめずらしい曲を聴きたがると言ってもいたらしい。
Let it Go、Another Hit and Run、そして非常に稀なHigh & Dry(Saturday Night)。
2ndアルバム「High & Dry」は私がデフレパードに嵌るキッカケになった衝撃的なアルバムでそこからの3連発は私には十分過ぎる感動を与えてくれた。
その後は彼らのブレイク作となった3rdアルバム「Pyromania」、そしての全世界で2000万枚売り上げた超ヒットアルバム「Hysteria」からの楽曲を中心にファンなら最初から最後まで、うる覚えながら、全部歌えてしまう身体に染み付いたヒット曲群でグイグイ押して一気にクライマックスへ進んでいく。
 
途中、ジョーは北アイルランドのベルファスト出身のギタリスト、ヴィヴィアン・キャンベルを紹介する。
1992年に故スティーブ・クラークの後任として加入した彼もバンド在籍20年を迎え、既にスティーブンの在籍期間を遥かに超えている。
ジョーはその彼を、かつて彼が在籍していたバンドのことを説明しつつ、紹介していく。
最初にディオの名前が出るとヴィヴィアンは突然ディオの「Stand Up and Shout」のイントロを弾いた。
私と同世代のファンならば彼がディオで成功へのキャリアをスタートさせたことはよく知っている。
意外な出来事に歓声があがる。
私も彼がディオの曲のフレーズを弾くところを見れるとは思ってなかったので驚いた。
あまり触れられたくないのでは思っていたからだ。
しかし、ディオもロニーは既に亡くなっている。
ヴィヴがそのことをどう思っているかは気になる。
続いてホワイトスネイクの名が出て(たぶん)Bad Boysのイントロを弾いた。
さすがにディオ以前に在籍していたスウィート・サヴェージは紹介されかった。
余談だがスウィート・サヴェージの7インチシングルは90年頃に起きたヘヴィメタルの中古盤ブームの時の有名なレア盤だ。
私は高田馬場の中古盤店でセールの時に2万5千円もしたが超レア盤だったのですごく嬉しかった記憶がある。
 
ヴィヴは前述通り既にバンドのオリジナルメンバーと言ってもいいくらいの存在になっているが、バンドの成功は彼加入以前と以後では明暗がはっきり分かれている。
セットリストはバンドのベスト選曲、それも日本のファン好みのといっていい構成になっているが、その殆どが前任のスティーブン在籍(存命)時の楽曲で、バンドのソングライティングにかなり大きく貢献していたスティーブンが1991年に急死したことは時を経るにつれ、その影響の大きさがハッキリと表れている。
しかし、奮わない以後のアルバムセールスに対し、ツアーが大盛況であることは、その黄金期の楽曲群が時を経ても全く輝きが失せていないことの証しであり、これもすごいことである。
大成功を収めたハードロックバンドとしては、これらの楽曲群のおかげで、長い目で見ればあのボンジョヴィ以上に成功しているのではないだろうか。
できることなら、日本国内のバンドや楽曲の知名度もボンジョヴィ並みに今からでも認知されてほしいものだ。
今でも十分10代、20代にアピールできる楽曲だと思う。
 
30代、40代の観客層が中心ではあったが、時の流れを映したような光景があった。
私のすぐ後ろの列に家族3人で来ているらしい人達がいた。
お父さんとお母さんはロックTを着ていて、かつてロック少年、ロック少女だったことがすぐにわかった。
子供は男の子で小学生のようだった。
親に連れられて来た少年はこういうロックコンサートは初めてだったのか、最初は戸惑い気味に演奏を見ていた。
そのうち、あまり興味が続かなかったのか座席に腰掛けてしまい、その後、一時席を外してたりもしていた。
その3人の家族を私は結構興味深く感じていた。
私のところも家族3人で子供は小学生(女の子)だ。
自分が若い頃に夢中になった音楽の素晴らしさを子供にも教えてあげたいと両親は思ったのかもしれない。
その気持ちはすごくわかる。自分もそうしたいと思う。
が、現状はそういうことをするには結構大きな問題もある。
最大の問題はチケット代だ。
この公演のチケットは9,500円。
家族3人となれば3倍の28,500円。
電車賃や会場のある都心部での夕食などを考慮すると35,000円くらいの予算が必要になる。これはイタイ。
家族で楽しむとして、2時間強のイベントに出費するにしては大きすぎだ。
これならちょっとした旅行に行ける。
また少年はサッカーシャツを着ていたので、同じ2時間ほどのサッカー観戦ならば10,000円掛からないケースも十分ある。
こんなに高くては、そんな何度も行けるわけないし、それではロックコンサートの魅力を伝承していけない。
今これほどの円高なのにそれがチケット代に還元される様子もない。
円高のメリットは高額ギャラのアーティスト招致代に回ってしまう気がする。
そして東京ドームみたいに豆粒みたいにしかアーティストが見れない巨大過ぎる会場でコンサートが行われる。
自分だけで行くなら、好きなアーティストならそれほど苦ではない。私くらいの年齢の大人なら皆そこそこ収入もあるし、何年かに一度の公演に使うくらいは問題はないが、家族で行くイベントとしてはキツイ。
いい音楽を伝承していくという観点でプロモーターも考えて欲しいと思う。
 
さてコンサート評に戻るが、クライマックスではライブアルバム「MIRROR BALL」と同じ展開になっていく。
Two Steps Behind、Bringin' on the Heartbreak、Switch625、そして名曲Hysteriaへと繋ぎ盛り上がりはピークへ向かっていく。
この辺りの曲はすぐに曲名が浮かんでくるが、時々すぐに浮かんでこない曲もある。
だが、曲自体は脳に染み付いているので、結構適当な英語ながら全部歌えてしまう。たぶんこのバンドのファンはそういう人は多いはずだ。
そうなると一人イントロクイズ状態だ。
サビまで歌ったところで、ああそうだこの曲名だとなる。
結構そうやって気づくのがまた楽しい。
これもまたデフレパードの楽曲のいいところだ。
Armageddon it、出世曲となったPhotograph、全米チャート2位にもなったPour Some Sugar on Me。
そしてRock of Agesで最高潮に達したステージは一旦終了する。
すぐにアンコールとなり、Let's Get Rockedが演奏される。この曲もデフレパードらしさが詰まった曲だ。
ラストは再びサプライズが待っていた。
日本では1984年の初来日ツアー以来となる1stアルバム「On Through The Night」からのWastedがショーのラストを飾った。
1stアルバムからの熱心なファンへの感謝のような選曲は半分くらいの観衆には戸惑い(これなんて曲?)を与えたかもしれないが、私は素晴らしい選曲だったと思う。
 
他の公演のセットリストも見たが、この日を見れたのはたまたまとはいえラッキーだったし、私好みでとてもよかった。
いい楽曲は時代が変わっても普遍だということを改めて感じて、なんか暖かい気持ちで家路につけた。
デフレパードはやはり素晴らしい。また行きたい、また楽しみたいと心から思えてくる。そんないいショーだった。
 
2011年11月8日(火) 東京国際フォーラム
デフレパード セットリスト
 1.Undefeated
 2.Action
  (Sweet cover)
 3.Animal
 4.Let It Go
 5.Another Hit and Run
 6.High & Dry (Saturday Night)
 7.Foolin'
 8.Make Love Like a Man
 9.Bass Solo
 10.Rock On
   (David Essex cover)
 11.Love Bites
 12.Rocket
   (Extended Version)
 13.Gods of War
 14.Two Steps Behind
   (acoustic)
 15.Bringin' on the Heartbreak
   (acoustic/electric)
 16.Switch 625
   (Instrumental)
 17.Hysteria
 18.Armageddon It
 19.Photograph
 20.Pour Some Sugar on Me
 21.Rock of Ages
 Encore:
 22.Let's Get Rocked
 23.Wasted

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コメント

楽しんだようで何より
Wastedは1999年に同じフォーラムで演奏したよ。因みにジョーは日曜日にしっかり毎度毎度の西新宿でブートを購入したみたい。昔ばったり西新宿で会った時はびっくりしたけど・・
チケット代の高騰はしょうがないね。サーチャージプラスCDが売れないからそこに転嫁されているのよ。
今年はフィジカル(CD)が売れないからBOXセットラッシュで殆ど興味あるのは買っていて、昨日はフロイドの炎BOXと、この前マンチェスターで観たツアーのRUSHのCDとDVD、今日は白蛇のポリドール時代のBOX(11枚組)とLizzyのBBC(7枚組)とPurpleの1期と2期のBBCがイギリスから届いて、初めて非課税額を超えたので通関で消費税を納めたよ(涙)置く場所がないのでWHOの4重人格はパスかな。

投稿: あーせなる | 2011年11月10日 (木) 23時11分

一応セットリストのDBで検索はした結果なんだけど、99年のジャパンツアー漏れてたみたいだ。まあいいよ。
そうだなあ、最近全然CD買わないよ。置くとこもないし。
買う以前に実家から持ってきちゃうからますます置き場ないし。
毎日聴いてるのはダブルオーのサントラかな。
歌詞ないかわりに、映画のシーンが全部オーバーラップできるようになったよ。
DVD要らなくなったくらい。歌詞と同じだね。

投稿: AWAN渦帝 | 2011年11月10日 (木) 23時43分

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