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2014年6月27日 (金)

時代の唄女 ~時が彼女と唄いたがっている~ 刀根麻理子@神楽坂THEGLEE

この数か月、愛用しているウオークマンで聴いているのは2つだけである。
一つは、私が音楽史上最も破壊的で、かつ美しいギタリストと信じているスティーブ・スティーブンス。
彼を擁したことがある3バンドからのベストセレクト。それのプレイリスト。
もう一つは、刀根麻理子さんの楽曲から理想的なライブセットを考えて作った11曲のプレイリスト。
ほぼ、この2つを不定期にローテして聴いている。
タイプが全く違うアーティストだが、50回以上聴いてもどちらも一向に飽きがこないのは、自分自身での自覚さえ超えている両アーティストへのリスペクト以外考えられない。
ひとことで言えば、時間がいくら経とうと褪せない素晴らしさを持っているからだ。

 
めったにやらないという刀根さんのライブ。
今日、半年前に刀根さんがライブもやった、ライフワークとしているIMAGINEのイベントと同じ神楽坂THEGLEEで行われた。
刀根さんの単独ライブとして観るのは私自身、20年以上は経っている。
その間に、刀根さんはもちろん、私を含め、刀根さんのファンであり続けた人たちにも時間が積み重なってきた。
刀根さんがトークでおっしゃったように”熟した”ほど大人になったかは私自身に限れば微妙かもしれない。
間違いなく大人にはなったが...。

 
この日のライブの日程が発表になって以来、どんなセットリストになるのかをずっと考えていた。
刀根さんがFACEBOOK上でリクエストを募ったりして、多くの人がいろんな曲名を上げていて、ちょっとした盛り上がりも見せていた。
一番、いろいろリクエストした(たぶん意地でやった)のは私だろう。
一番リクエストが多かったのは「キャッツアイ」のテーマソングだった「デリンジャー」であったと思う。
その「デリンジャー」は誰も想像できないサプライズなスタイルでライブのオープニングを飾ることになった。
オープニングに演奏されたのは同じ「キャッツアイ」のファーストシーズンのテーマソングだった杏里さんの「CAT'S EYE」!!
これは想像できなかった。
そしてそこからの「デリンジャー」へ。
2曲目は、デビュー曲になるはずだったとトークであった「都会のゆううつ」へ。

 
MCでデビューの経緯が説明され、今年の9月25日で歌手として30周年を迎えることが告げられた。
それは歌手刀根麻理子の30年であり、今日この会場に集った人たちの中にも大勢いたであろう30年前からの刀根さんファンの30年でもある。
それだけの時間が横たわりながらも、その間に私のようにどれほどの空白があったとしても、それを今日この時間にいとも簡単に乗り越えて聴き手の中に入ってくる。
刀根麻理子とはそういう歌手なのだ。
歌手刀根麻理子は、時代に、時間に愛されているのだ。

 
時代の唄女(ジダイノウタメ)。

 
とでも言えばいいのだろうか。上手く表現できない。
ライブ序盤から、ずっと刀根さんの目を見ながら聴いていた。
すると、周りの風景がカットされて、刀根さんの姿だけがさらに立体化していく不思議な感覚も感じた。
THEGLEEはステージから観客席が近いので、普段大きな会場ではできないライブの堪能の仕方ができる。
20歳くらいの頃、日本青年館で観た刀根さんの姿は、THEGLEEとの会場のサイズの違いもあったが、自分と違う世界の人というイメージで見えていた。
今日、目の前で唄っていた刀根さんは、よりリアリティがあった。
それは単純に距離だけでなく、青年館でのライブの時からの時間が積み重なったことでより歌手刀根麻理子を厚くさせたことのおかげというのは間違っていないだろう。
それがさっきの不思議な感覚に繋がっている気もする。
刀根さんがMCで言ったジョークみたいに、自身が「厚くなった。」からではない。ない!!

 
セットリストは刀根さんの歌手としてだけでなく、女性、人としての時間の流れ、経験、にも沿ったカタチで進行していく。
ずっと人からはジャズシンガーだと思われてたというエピソード。そして、これもまた時間が経とうと褪せないスタンダードナンバーの「Smile」「Fly me to the moon」。
アメリカで観た星空から詩がインスパイアされたという「私だけのオリオン座」。
危機一髪な状況で放った名ゼリフから生まれた「トランタンな愛の形」。
骨髄バンクの支援でのエピソードからの「YUKIKO~そのはかない生命のメッセージ」。
歌手としてだけではなく人としての経験も踏まえたこれら曲も時間に愛されているからこそ、この日歌われ、そして聴き手にも伝わるのだと思う。

 
途中、ゲストの小田純平さんが登場する。
桑名正博さんのエピソードなどの他、小田さんオリジナルの楽曲もソロで演奏された。
「神楽坂」「男と女のバラード」素晴らしい曲ばかりでした。
刀根さんとのデュエットは、初めて聞かされたデビュー前に五木ひろしさんと刀根さんがデュエットしていたというエピソード時の曲でした。

 
刀根さんのお色直しを経て、素晴らしき昭和の歌を連ね、違う意味でも時代の良さを共有しました。
もちろん、前回私を引っくり返らせた曲も。
そして「フライデーナイトファンタジー」「ソワレの夜突然に」で〆。
アンコールではスタンダードのナット・キング・コールの「L.O.V.E」が歌われました。

 
だいぶ時間が間に空いたからもあるが、ゆえに前回最後に観た刀根さんのライブ(パワーステーションだったか?)のときと印象は違った。
それはいい変化であり、それがその空いていた時間にも愛され続けて今こうやって我々の前で歌い続けている刀根麻理子が身に付けた魅力なのだと思う。
今日目の前で観た歌手刀根麻理子はとてもリアルだったし、セットリストからだけでは伝わらない、こうして文章にしても表現しきれない、聴いて観た感覚だけが理解しえる未体験な感覚でした。
この秋、冬には30周年を記念したまたライブがありそうなので、そこでも時に愛されている歌手、刀根麻理子を感じたいものです。
時代の唄女は、時をいくら超えようとも”普遍のパワーを宿した歌を唄いたい!”の思いをつないでいってくれると確信しています。


THEGLEEの入り 口には、ジャズベーシストだった刀根さんの亡くなられたお父様が弾いていたのと同じタイプのベースが飾られています。
今日たまたま私も20歳の頃に亡くした父が残した1970年代もののロレックスをして来ていました。
刀根さんのライブ同様、私もめったに腕時計をしないのですが。特にこのロレックスは。でもちゃんと今でも動きます。
時計はその通り時を刻みます。
時と共にある時計も時代の伝え手なのでしょう。
今日は時を感じる、いい一日でした。

 
<セットリスト>
1.CAT'S EYE~デリンジャー
2.都会のゆううつ
3.アントニオソング
4.Smile
5.Fly me to the moon
6.私だけのオリオン座
7.トランタンな愛の形
8.YUKIKO~そのはかない生命のメッセージ
ゲスト:小田純平さん
9:しのび逢い
10:神楽坂(小田さん)
11:男と女のバラード(小田さん)
12:懐メロメドレー(恋の奴隷、ブルーライトヨコハマ、など)
13:何日君再来
14:精霊流し
15:フライデーナイトファンタジー
16:ソワレの夜突然に
アンコール
17:L.O.V.E

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