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2017年9月17日 (日)

岩尾憲の涙

2017 J2 第33節 鳴門・大塚スポーツパーク ポカリスエットスタジアム
徳島ヴォルティス 3 - 3 ファジアーノ岡山
【得点】徳島:34' 岩尾 憲、45' 島屋 八徳、62' 山﨑 凌吾
    岡山:14' 澤口 雅彦、19' 赤嶺 真吾、84' 関戸 健二
 
強くなるために試合から学ぶことは多い。
序盤戦なら、失点シーンや敗戦から学ぶことを文字通り勉強と位置付けることはある。
負けの悔しさを多少ごまかすことも含めてね。
但し、それはシーズン全勝、無失点はありえないからの話である。
勝ち点なりを失うことは事実だ。
勉強といっていい時期は限られる。
今はどうか?
そんな時期ではない。勝ち点が最低でも3欲しい時期だ。
誰でもそう思っている。
 
でも、サッカーに限らず、学ぶことは一生大事だ。
もう学ぶ必要はないと思った瞬間から人は成長は止まる。
それは、そこからは退化していくか、抜かれていくだけになることの始まりであり、ある意味人生の終わりだ。
そして大概、そうなったことに本人は気付かない。
若い、老いたは関係ない。
学歴も、今やってる仕事の質も関係ない。
本人の意識の問題だからだ。
だから、学び続けないといけない。
 
ここ3試合勝てていなくて、しかも2連敗中だった。
久しぶりのホームは最後の反攻のチャンスにしなきゃいけなかった。
だが、早々と2点先行された。
TL上では失望が一気に溢れた。
そりゃそうだ。
帰りたくなったり、画面を閉じたくなっただろう。
何故、この夏もっと補強しなかったんだと言いたくなっただろう。
だが、この試合はそこで終わらなかった。
 
岩尾のPKから始まった反撃は、岩尾がPKを蹴ったからこそより効果があったんだろう。
2失点していたが、試合当初から攻める形も奪う形もヴォルティスの方がコントロールできていた。
後から何とでも言えるが、2点目を取られても1点取り返せば流れは強くくる試合だと感じていた。
TLにもそんな気持ちを書いていた。
島屋のゴールは岩尾が決めた時点で、島屋であれ、他の誰かであれ、きっと来るゴールだと感じていた。
前半終了間際に来たのは出来過ぎで、そこは期待以上だった。
 
これで逆転勝ちしたら、ヴォルティスの歴史に残る試合になっただろう。
さらに昇格を決めたら、一生記憶に刻まれる試合になったかもしれない。
そうなりかけたが、残念ながらそうはならなかった。
大逆転して最後に落ちるという試合は、サッカーでは星の数ほどあるケースだ。
だからサッカーは難しい。だからやめられない。
 
結果は付いてこなかった。とても残念だ。
でも、凄い試合だった。
記憶には残るだろう。
一番記憶に残るのは何だ?
言うまでもないだろう。
岩尾憲が涙を流した姿だろう。
直接、目の前で見た人たちはなおさら忘れないだろう。
だって、その人たちのために泣いていたんだから。
 
岩尾は何故泣いてしまったのかの全てを理解するのは難しいだろう。
でも、勝ってあげたかったのだ。
あんな天気の中、連敗中で、久しぶりのホームで先に2失点して絶望的な状況を作ったなかでも応援してくれてた人のために。
一生懸命勝利を祈って試合を、現地でも、画面の前でも、祈っていた人たちを試合途中で失望させてしまったことの悔いのために。
少しでも希望を返してあげたいという気持ち、まだ諦めないで欲しい、諦めさせないからと訴えたい気持ちでPKを蹴ったんだろう。
あそこで外してたらシーズンは終わってた。
凄いプレッシャーだったと思うよ。
岩尾が蹴るしかなかった。
渡でも、山崎でも、島屋でも、杉本でもなく、岩尾である必要があのPKにはあった。
仮にもっと高い確率で決まったとしてもね。
岩尾以外が決めても意味はあまりなかったかもしれない。
あの猛反撃はなかったかもしれない。
岩尾はみんなのキャプテンであることを示したんだ。
だから、みんな諦めないで戦えた。
誰よりも責任を感じていて、勝たないといけないとあの状況でも思ってたんだ。
それを感じてあげないと。
そういう選手と今、一緒に戦ってるんだよ。
こんなことサポーター人生でそうそうないよ。
 
だから試合中に諦めること、補強の話なんかすることが恥ずかしいことわかるよね。
ましてや、こういう選手が諦めず戦い続けているリーグ戦で、やらかして試合に来れなくなるようなことをすることの愚かさ。
この試合には、何よりも大事な、学ぶべきことが詰まっていた。
昇格することより、優勝することより大事なこと。
これが欠けていたら、全てが無意味になるほどの重要なこと。
岩尾はそれを教えてくれてるんだ。
岩尾がそこまで思ってなくてもね。
岩尾自身が自然とそういうものを発してるんだ。
だからキャプテンなんだ。
我々が応援する機会を貰った、今、目の前にいる選手はそういう選手なんだ。
そういう選手を応援しなきゃいけない。
そういう選手を見てやらないといけない。
見るのは、今いない、来てほしい選手じゃない。
相手チームのサポーターじゃない。
TLの反応じゃない。
自分じゃない。
岩尾憲のような選手だ。
 
まだ諦める時期じゃない。
この試合は結果は残念だったが、もしあのまま勝ってたら、当然だが岩尾は泣かなかっただろう。
だとしたら、自分も当然そうだが、上に書いているようなことは感じなかっただろう。
だから、失った勝ち点2の代わりに大事なことを貰ったと思うことにする。
勝てなかったが、勝てなかったからの意味はあった。
ここからが勝負。
昇格することに意味を持たせるために必要なことを学べた。
まだ遅くない。それはよかった。
「諦めたら、そこで試合は終わり」とはどっちかというとバスケで有名な言葉ではあるが、その通りだ。
最後まで諦めちゃいけない。それを学ばせてもらった。
岩尾憲がピッチでプレーしている限り、希望は最後まで消えない。
Dscn8456

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