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2018年2月20日 (火)

かっこいい父さん。~千葉ジェッツ、危機を乗り越えての大きな一勝~

2月17日(土) 船橋アリーナ
千葉ジェッツふなばし 65 - 79 アルバルク東京
  
2月18日(日) 船橋アリーナ
千葉ジェッツふなばし 79 - 69 アルバルク東京
 
チャンピオンシップの組み合わせ見込みが載るようになった。
いよいよ終盤戦になった。
そして、今節は重要な対戦を迎えた。
アルバルク東京とのリーグ戦における今季最後の直接対決である。
首位と2ゲーム差ではあるが、3位の川崎も迫っており、勝たないといけない試合だ。
単なるリベンジ機会だけに考えてはいけない。
だが、ジェッツはあの年末年始のあと、立て直しオールジャパン2連覇を達成し、新たな強さも身に付けた。
それをぶつける絶好の機会でもあった。
 
アルバルクとは年末年始の2連戦を戦ったが、残念な2連敗を喫した。
そして富樫勇樹を負傷で欠くことになった。
ファンにも大きな失望を与えてしまい、チームに暗雲を招いた。
あの時同様、今回も2ゲーム差で迎えた。
今回こその想いは選手、ファンともに強かった。
チームはリベンジをイメージさせる対戦予告の煽り動画を作った。
動画の主役はアルバルクが古巣であるマイケル・パーカーだった。
「かかってこい」という強いメッセージを発していた。
関連することを後述するが、最近チームが作る煽り動画はなかなか挑発的で面白い。
ある種、スレスレ感があって、調子に乗り過ぎ感もある。
こういうのはサッカーでは作れない。
ガチに受け止められて、揉め事のきっかけや理由にさせてしまうからだ。
そういうのを願ったりと思っている連中もいるからなおさらだ。
だからこういう動画がやれるバスケはとても平和で、いいところだと思う。
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ゲーム1。
結論から言うと、失望しかない残念な試合だった。
試合開始直後に田中→カークのラインでいきなりアリウープを決められる。
カーク選手をまったく捉えられなかった。
その後も守備はいいように振り回され、相手を捉えられず用意にアタックさせ続けてしまった。
攻撃では逆にはがすことができず、ムリなアタックを繰り返すことになった。
アルバルクがジェッツのイマジメーションの上、裏を突き続けるのに対し、ジェッツは攻守ともにアルバルクのイマジネーションの下のままだった。
ジェッツの集中力の欠如は特にひどかった。
小野龍猛は目の前にボールを持った菊地選手がいながら目を離してしまい、その瞬間を突かれてアシストパスを出させてしまう失態をするほどだった。
点差以上に一方的な試合だった。
いいところは全くなし。
試合後の大野HCのインタビューでも答える言葉に困るほどであった。
 
試合中もあったが、試合後も罵声があった。
それは仕方ない。
5,000人に5人そういう人がいたとして0.1%だ。そういう人は出る。
年末年始の連敗を踏まえ、煽り動画まで作り、ホームで迎えながら、いいところなく敗れたのだ。
試合終盤、動画の主役は諦めたように走らなくなった。
西村文男は最後負傷して下がったが、負傷に気づかなかった人は、大野さんは西村を下げたことでこの試合を捨てたと感じたと思う。
私もそう思ったし、私の隣に座った女性もそう思うと言っていた。
だから何も言われない方がおかしいし、罵声を言った人を責めきれない。
勝つんだという強い気持ちを持っていた中で裏切られたようになったため、負けることに負けてしまったからだ。
その結果の罵声である側面もある。
それでも子供たちによくない、マナーよくないというなら、その場でその人に詰め寄って辞めさせないといけない。
それなりに怖いし、揉めるだろうし、もうジェッツなんか来ないと言われるかもしれないが、バスケを守りたいならそうしなきゃ。
そうして誰かを除外する覚悟がなきゃそういう人たちをどうにか言えないよね。
それにいつもはそんなこと言わない人かもしれないし。
プロスポーツにおいてホームで負けるってことはかなり重いことなんだよ。
まだジェッツにおいてはそれが噛みしめられてない部分はある。
これは自分の経験から言わせてもらうけどね。
 
煽り動画を作るってことは覚悟がいるんだよ。
エンターテイメントといっても、ジョークは通らないんだよ。
ガチであること、ガチで受け止める人もいるのは事実なんだ。
ガチだから強くなる道がそこにできるんだ。
そこはジェッツの中の人にもわかってほしいな。
調子に乗り過ぎている部分もあると思うよ。
 
あと応援というのは、いろいろな劣等感の上に立ち上がっていることがあるんだ。
弱さ、貧弱、地域格差、個人的窮状、いろんな劣等感に対する、簡単に言うとウサ晴らしと重なるんだ。
それが応援しているチームが負けることによって、負けることにさらに負けてしまうんだ。
それは誰もが持っている弱さで、でも応援する気持ちが籠っているからこそ負けた時激しくなるんだ。
応援されるプロスポーツチームはそういうものを背負う運命なんだ。
負けても笑ってられるとしたら、それは勝ちたいという気持ちの差でもあると思うよ。
だから、罵声を言った人を私は批難しない。
 
ジェッツはリベンジどころか、富樫の時と同じように西村も欠く状況になり最悪なデジャブを招いた。
追い込まれてしまった。
 
ゲーム2。
大野HCは選手たちに「言い訳をするチームになるか、新しいチームになるか、どっちだ。」というようなことを言ったらしい。
願っていない正念場を迎えた。
西村も欠いた窮状。
だが選手たちはタフさを発揮してくれた。
それでもこの試合も開始直後は危なかった。
開始2分30秒で10点差に広げられた。
しかし、そこまでの間で反撃のスイッチは入っていた。
2分過ぎにマイケル・パーカーが放ったショットがアレックス・カーク選手に阻まれたが、ゴールテンディングではないかと会場がヒートした。
個人的な意見を言わせてもらうが、あれが誤審であるかは気にしていない。
審判が判定したならそうだと思うようにしている。
そこを引き摺っていたら、応援じゃなく審判との戦いになってしまうからだ。
そうなると試合が壊れることが多くある。
しかし、この日は逆に会場の応援がヒートする特別なこと起きた。
アレックス・カーク選手が早くもファウル2で下がると、交代で入ったブレンダン・レーン選手もファウル2で下がった。
アルバルクは冷静さまでは失わなかったが、流れはジェッツに傾いてアルバルクを押し返した。
1Q終了時にはレオ・ライオンズの連続3Pでひっくり返してしまった。
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勇気を取り戻したジェッツは昨日とは違った。
粘って喰らいつき、スキを与えなかった。
簡単にはショットを打たせなかった。
西村を欠く危機を全員がやるべきことを集中してやり切ることを徹底して、全員で試合を創った。
昨日は残念だったが、それを乗り越えての今日が表現できていた。
そしてそれは観ているジェッツのファンにしっかりと伝わっていたし、ファンもこれまで以上に一緒に戦っていた。
選手の勇気は伝わっていた。
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そして全員がヒーローになるはずの試合の中で真のヒーローは後半現れた。
3Q7分過ぎにエドワースがファウル4になりベンチに下がる。
そして小野龍猛が9分弱でファウル4になった。
スピードではジェッツ外国人勢に劣るが、パワーと高さで優るアルバルクの外国人勢に対抗してきた二人が下がることになった。
小野龍猛がファウル4となった瞬間、大野HCは横に座っていた伊藤俊亮の袖を引っ張って数秒も経たずに交代に送り出した。
当初エドワーズのファウルの直後と記憶していたが、実際は小野龍猛のファウルのあとだった。
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伊藤俊亮はお父さんのイメージで親しまれている。
そして昨季の彼とミニチュアファクトリー社の広報さんとのツイートのやりとりから始まったムーブメントはジェッツに大きな勢いをもたらした。
決してプレータイムはここまで多くはないが、彼が貢献してくれている部分はどの選手よりも大きいかもしれない。
しかし、彼は選手である。
ファンも彼がプレーで沸かせてくれることをずっと期待し、信じてきた。
それが彼が登場したときの歓声で表現されていた。
彼はアレックス・カーク選手とバチバチにやり合いファンの視線を引っ張った。
4Qもそのままコートへ。
彼がコートにいた6分ほどは、アルバルクの得点を殆どフリースローだけに抑えた。
そのフリースローをファンのブーイングが外させる。
勝ちたい、という空気の中心に伊藤俊亮がいた。
ライオンズのアシストを受けてレイアップも決めたシーンはそれが最高に熱くなった。
オフィシャルタイムアウト時、ベンチに座る伊藤俊亮はハアハア息を粗くして下を向いていた。
それがスクリーンに大写しになっていて、会場のファンがみんな見ていた。
写真を撮っておけばよかったが、それを忘れるくらい釘付けになったシーンだった。
お父さんは闘っていた。
選手の、ファンのお父さんは最高にかっこよかった。
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1勝1敗。
望んでいた結果ではなかった。
だが、もう一つ何か成長できた気がする。
そして、挑むことのかっこよさを見た。
我々は伊藤俊亮が千葉ジェッツにいる幸せをあらためて、そしてより深く学んだのではないだろうか。
それは選手たちも同じだろう。
彼は間違いなくジェッツのかっこいいお父さんなのだ。
2連勝して首位に並んでいたら、たぶん学ばなかったことを教えられた。
ゲーム2の勝利は、危機を乗り越えてのとても重要な、大きな学びを与えてくれた一勝になったと確信する。
 
代表戦があるので、次節まで少し時間が空く。
負傷者も戻ってくると思う。
そのとき、2段階目の進化を遂げたジェッツが姿を見せてくれると信じる。
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